約束

JERO( ジェロ ) 約束歌詞
1.えいさ

作詞:一青窈
作曲:山本健太郎

すが漏りの浮き名の独り暮らし
あなたの声、匂い、あなたの嘘
愛は終われますか
ひとりでに
改札で凍て鶴だわ
声かけられぬ寂しさに耐えています
身じろぎもできないのあたし馬鹿ね
えええ…えいさ 飛び立っておゆき

「現在使われておりません」が
どこか遠くであのホトトギスに
あなた呼び出されているのでしょう
はぐれた手を温めて
追いかけられぬ悔しさに耐えています
遠慮がちのあたしじゃ役立たずね
えええ…えいさ 幸せにおなり

嘘ついてまで欲しかったものがあったわ
痛くなるほど抱きしめられ
声かけられぬ寂しさに耐えています
身じろぎもできないのあたし馬鹿ね
えええ…えいさ 飛び立っておゆき


2.東京漂流

作詞:阿木燿子
作曲:宇崎竜童

あなたと出会って半年経ったのに
まだ手も握れない
都会暮らし馴染めずに 気後れしてる俺
街のネオンサインの眩(まばゆ)さが
逆に心 暗くする
名もなく貧しく そしてやるせなく
無駄に時が行く

ねんねんころり ねんころり
新宿 四ツ谷
ねんねんころり ねんころり
独りさまよう
ねんねんころり ねんころり
下北 渋谷
ねんねんころり ねんころり
ポツリ 子守唄

出て来てとっくに三年過ぎたのに
今でも余所者(よそもの)さ
都会育ち あなたには分かるはずがないね

胸にまたビル風が吹き抜けて
これでいいのかと思う
どうにかなりそで だけどならなくて
諦めきれない

ねんねんころり ねんころり
浅草 秋葉(あきば)
ねんねんころり ねんころり
迷路だらけさ
ねんねんころり ねんころり
お台場 三茶(さんちゃ)
ねんねんころり ねんころり
ふっと 子守り唄

ねんねんころり ねんころり
原宿 恵比寿
ねんねんころり ねんころり
寝た子を起こす
ねんねんころり ねんころり
白金 広尾
ねんねんころり ねんころり
東京漂流


3.アルゼンチン逃避行

作詞:秋元康
作曲:横山剣

月が滲む 霧の波止場
桟橋で待つ女
運命に 身を任せるように
携帯を海に捨てた

コンテナ降ろす貨物船と
愚か過ぎる計画
勢いで投げた 恋のダイス
火傷しそうな成り行き

アルゼンチンへ逃避行
すべてを捨てて
生まれ変わるのも いいわね
嘘くさい夢物語
朝が来るまで
あなた あなた あなた
信じて

百万回 騙されたって
同じこと 繰り返す
愛さなきゃ 生きて行けない宿命(さだめ)
愛と涙を道連れ

世間の目は 船の錨(いかり)
モラルに引き止められて
あの海を いつも越えられずに
冗談のように笑った

胸の奥の小さな闇
いいことなんかなかった
ふしあわせが似合う女は今
少ししあわせな気がした

アルゼンチンへ逃避行
見知らぬ土地へ
のたれ死んだって いいじゃない?
言葉だけで盛りあがった
夢と約束
あなた あなた あなた
ありがとう

白んで来た 街の向こうから
ヘッドライトが 近づく
駆け落ちに 遅刻をした男
本当の愛は照れるね
愛と涙を道連れ
愛と涙を道連れ


4.試練

作詞:山上路夫
作曲:春畑道哉

風が吹く日暮れの道
どこまで行けば いいのか
風来の男ならば 待ってる宿もない
ここで暮らせと言っていた
そんな女(ひと)もいたけれど
男は誰でも旅人だ
茜雲(あかねぐも)が目にしみる

生きる事は試練か
負けちゃ今日を越えられぬ
明日もちがう試練が
俺のことを待っている
人生はロマンだぜ
眉あげてゆこう

この街で人の情け
心にジンとしみたよ
風来の男だって 時には弱くなる
おまえがともした家明かり
今もたずね帰りたい
未練はおまえを苦しめる
熱い想いとじこめる

愛は俺の試練か
うしろ向いて生きられぬ
女ごころ試練か
俺を夢で迷わせる
人生は一度きり
前向いてゆこう

この道越えたら広々と
空も青くひろがるさ
苦しい想いは男なら
笑い顔(がお)に隠すのさ

生きる事は試練か
負けちゃ今日を越えられぬ
明日もちがう試練が
俺のことを待っている
人生はロマンだぜ
眉あげてゆこう


5.晴れ舞台

作詞:中村中
作曲:中村中

世間のニュースによく似た色の 今夜も暗い幕が開(あ)く
眩しいライトに目をつむる度に 思い出すのさ あの笑顔

昔話をねだっても「忘れたよ」しか言わなくなっちまって
母ちゃん おいらは知ってるよ
灯りも点けずにオイオイと 忘れた昔が夜泣きするのを
おいでよ母ちゃん おいらのもとへ
故郷(くに)に残した 優しい瞳に おいらの姿 見せてやりたい

擦り切れるほど繰り返し 見ては歌った「越後獅子の唄」
母ちゃん おいらの歌だけが
「宝物だよ」と笑うから おいらもクヨクヨしちゃいられない
おいでよ母ちゃん 夜明けは近い
見えるといいな 晴れの舞台に 昇れおいらの 初日の出

ライトを浴びて 呼ばれる名前は 母ちゃんに貰った 名前だよ
忘れちまった 昔の代わりに 夢を見させてやるからね
もうじき暗い 幕が開(ひら)くよ おいらの姿 見てて下さい


6.キョーコとタカシ

作詞:秋元康
作曲:宇崎竜童

キョーコとタカシは旅に出る
昨日までと 違う空を探しに…
アパートの猫は 人に預けたよ
わざとさらりと 背中を向けた
淋しがりや
どこへ行く当てもなくて
なんとなく 列車に乗る
しあわせになりたい
きっかけが欲しかった

思い出し笑い できるような
生き方しよう
今は つらくても いつかきっと
AH ― 土産話

キョーコはタカシに聞いてみた
終着駅 着いちゃったらどうするの?
その先も続く人生と同じ
人は 誰でも 生きてる限り
旅の途中
朝焼けのその強さに
夕焼けのそのやさしさに
目に映るすべてが
しあわせと知りました

思い出し笑い できる頃に
家に帰ろう
雨 止んだ空に 架かる虹を
AH ― 見つけようか

思い出し笑い できるような
生き方しよう
今は つらくても いつかきっと
AH ― 土産話


7.流浪の街

作詞:蟹江ハルキ
作曲:山本健太郎

流れ流れていた
暮らしも心根も 荒れ果てて
酔いつぶれ 塞ぎ込んだ
駅裏の暗い路地
やるせなく 時だけが 過ぎ往く
幸せを探したいけど
所詮 負け犬 はぐれ犬
眠りついてる よどんだ街じゃ
拾いそこなった あの夢の
小さな破片(カケラ)さえ 見えなくて

とうにほどけていた
心と心を 繋ぐ糸
いらだちで 背中向けた
なぐさめの 言葉にも
強がりで 遠ざけた ぬくもり
情熱を探したいけど
所詮 やせ犬 おびえ犬
動き出したい 動き出せない
涙 飲み込んで 空を見た
もう一度歩き出す勇気が欲しい

幸せを探したいけど
所詮 負け犬 はぐれ犬
眠りついてる よどんだ街じゃ
拾いそこなった あの夢の
小さな破片(カケラ)さえ 見えなくて


8.大阪ジュエル

作詞:蟹江ハルキ
作曲:つんく

ウソや あなたから切り出すのね
別れ話は あたしからのはずやった
突然の電話 雨の街を
コートも着ずに 駆けてきたのに
繰り返す サヨナラは
もうとうに 慣れっこやけれど
泣けへん女 泣かせるように
せめて カッコつけて くちづけを
西と東に 別れましょ
雨の梅田 茶屋町あたり
傘もささず 片手あげて
あなたは立ち去る あたしは振り向く
まつ毛に光る ジュエル

そやね 何事もなかったよに
偶然みたく いつかここで 会いたいね
どこにもいるよな ふたりやけど
重ねた月日 軽くなかった
せつなさは 屑宝石(いし)ね
胸の奥 沈んできらめく
しばらくひとり 抱きしめてるわ
耳に残る声を 口ぐせを

右と左に歩きましょ
雨の梅田 茶屋町あたり
濡れた舗道 にじむネオン
女の心に 散らばる想い出
まるで 悲しいジュエル

今もあの日も 変わらない
夜の梅田 茶屋町あたり
「忘れへんで」「忘れへんわ」
男と女の 背中にそぼ降る
雨の大阪ジュエル


9.菜の花畑でつかまえて

作詞:山川啓介
作曲:都倉俊一

年上の女だった 少年の恋だった
菜の花畑で待っていた 故郷の春だった
おぼろ月 うるんだ夜風
黄八丈(きはちじょう) 伽羅(きゃら)の香り

どんなに強く 抱きしめても
心は笑って 逃げてった
花のむこうへ 吐息のむこうへ

あの女が嫁ぐ日に 故郷に背を向けた
菜の花畑に日が落ちる 夕映えの中だった
濡れた頬 上りの列車
ついて来る 伽羅(きゃら)の香り

ひと駅ごとに 大人になる
そんな都会への つらい旅
汽笛は挽歌 青春の挽歌

菜の花もない街で ありふれた恋も知り
それでも春にはぼくを呼ぶ
黄金色(きんいろ)の追憶が

あの夜に 似たおぼろ月
幻の 伽羅(きゃら)の香り
きっと今でも 来ない女を
菜の花畑で 待っている
あの日のぼくが 少年のぼくが


10.海雪

作詞:秋元康
作曲:宇崎竜童

凍える空から
海に降る雪は
波間にのまれて
跡形もなくなる

ねえ 愛してても
ああ 届かぬなら
ねえ いっそ この私
身を投げましょうか?

あなた 追って 出雲崎
悲しみの日本海
愛を見失い 岸壁の上
落ちる涙は
積もることのない
まるで 海雪

掌 伸ばせば
冷たい幻
世間を振り切り
宿命(さだめ)だと信じた

ねえ 愛されても
ああ 叶わぬ中
ねえ いっそ この私
殺してください

一人きりの出雲崎
明日(あす)を待つ傘もなく
濡れたこの髪が 芯まで冷えて
恨む言葉も
水面に消えてく
まるで 海雪

ねえ 愛してても
ああ 届かぬなら
ねえ いっそ この私
身を投げましょうか?